世界の子どもシリーズ―現代編― 古の魔法使い
今日も
私の世界は
俺の世界は
理不尽に回っている。
✶
「俺は、悪いことは何も、していません」
それなのに、切り離されていく。
不当な扱い。
報われない努力。
削がれる気力。
見えているはずなのに、自分の世界には何も映らない。
聞こえているはずなのに、自分の世界には何も聞こえない。
「賢く、生きる」
わかってる、わかってるのにできないんだ。
ああ、今日も大好きな植物に触れられない。
✵
「久方ぶりに大地の巫女を選出する。此度の巫女はアンジェリシカだ」
やりたくありません。
そう言おうとして、言葉を飲み込む。
族長たちの目が、年の離れた弟に向いている。
こんなの、卑怯だ。
封じられた、今を生きる自分のトキ。
引き離される、最愛の弟。
悲鳴をあげる、自分の身体。
私は村に捧げる命など持ち合わせていない。
だから、星を詠むフリをする。最愛の者を遠ざけてでも。
「キース。来てはいけません」
……ごめん。ごめんね。
✵✶✵
「逃げたい」
「行きたくない」
今日も同じ日々の繰り返しの中で、私は眠る。
今日もこの現実で、同じ日々を俺は繰り返す。
あなたが眠るころ、私は祈り
君が祈る頃、俺は眠る。
ただ君がいるということしか、知らないはずなのに
君は
あなたは
私の支え。
俺の支え。
それは出会いたくて仕方のない人。
届くはずなどないのに、手を伸ばしてしまう人。
✶✵✶
迷い人よ、月夜の嘔嘩へどうぞ。
一本の巨木が繋ぐ、地上の大地と地下の大地。
この森には一人で入ってはいけない――……!
「お前にこの娘を攫う覚悟はあるか?」
「ダメ。もうここへ来てはいけないわ。あなたの世界に戻れなくなってしまう」
「お前は、姉さんの本当の姿が見えるのか?」
特別に繋がれる秘密の地下鉄――……。
天秤にかけられるのは、自分の夢と愛しい人との未来。
「どうして? 君は美しい」
彼のその一言が、私の生きるトキをまた回す。
これは命がけの恋。
あなたはついてくることができますか。
あなた自身に。
あなたは追い抜くことができますか。
あなた自身を。
あなたはたどり着くことができますか。
あなた自身へ。
自分の心が自分に問う。
これは命がけの愛。
✶
「古の魔法使いには、習慣がある」
これは、魔法使いの特別なブレスレット。
✵✶✵earth to earth~古の魔法使い~✵✶✵
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episode3.5 (掲載終了、本収録予定)
―大学内の魔法使い―
episode3.8 (掲載終了、本収録予定)
―大学内の魔法使い―
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