世界の子どもシリーズ ―未来編― その扉の向こう側に
2XXX年――……。
突如、月が消えた。
太陽の光の届かないこの世界で、月をも失い、今日も私たちは闇を生きる。
闇が奪うのは、月だけでなく、全ての光。
始まるのは、争い。
皆が奪い合う。
火を、食料を、命を。
そんな中で現れた希望の光は、不思議な輝きを放つ、石。
その石はわずかな灯を与える。
月損病という、病気と引き換えに。
「また、月がみたい。……できることなら、太陽も。人工ではなく、本物の」
謎の病気と月が消えた真実を求めて、立ち上がったのは幾望団。
私は今日も闇夜を走る。
光を求めて――
✲
2XXX年――……
突如、月が割れた。
太陽の光しか届かなくなったこの世界で、地上は荒れ果てたというのに、今日も僕たちは光を生きる。
光が壊すのは、夜だけでなく、全ての心。
日が沈んでも訪れる、二つ目の太陽。
皆が、ドームへと避難する。
強すぎる光から、砂漠化した有毒ガスが充満する外から、人間を支配するアンドロイドから。
そんな中で唯一残った本当の光は、人間とアンドロイドが共存するアトラントの町。
アトラントの町は名前を与える。
アンドロイドにも、人間にも。
「いいや。品番は必要ない。必要なのは名前だ」
人間を奴隷として扱うアンドロイドの目を盗み、集めるのはオーパーツ。
僕は今日も灼熱の昼を走る。
自由を求めて――
✲
✶✵✶サクヤの捜す心を繋ぐオーパーツ✶✵✶
「誰だ!」
扉の向こうにいたのは、話の通じない、騒がしい女。
一軒の茶屋で見つけた不思議な扉の隙間から、秘密の交流が始まる。
手がかりは、その茶屋に残されていた一冊の日記とおとぎ話。
本当に隔離された世界なんて、あるのか――……?
✶✵✶ミーナの光の欠片のペンダント✶✵✶
「そこ!」
闇夜の中、音だけを頼りに、耳を澄まして動く。
彷徨って見つけた光の向こう側にいたのは、話の通じない、不思議な男。
光の差し込むその隙間から渡された、未知の物体から秘密の交流が始まる。
追い求めるのは、秘密の地下鉄と、遺伝子の謎。
本当に地上世界なんて、あるの――……?
✶
✵
✶
扉の向こう側にいるのは
僕の
私の
唯一の理解者
理の違う世界で生きる
運命のひと
僕たちの
私たちの
遺伝子は繋がっている――……
再び世界を繋ぐのか、閉ざすのか
地上世界と地下世界は
一枚の古びた白い扉と
謎に満ちた海と
もう動かない秘密の地下鉄で
繋がっている
あなたに会いたい
君と生きたい
悲劇を、越えていけ――……
✶✵✶その扉の向こう側に✶✵✶
to be continued……
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