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【期間限定】世界の子どもシリーズ_読み切り番外編~ナタリーとキースの魔法茶屋~シエナと黒のパーカーと雨の日~

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世界の子どもシリーズ_読み切り番外編~ナタリーとキースの魔法茶屋~シエナと黒のパーカーと雨の日~

 

※ちょうど、交流授業が終わった後の物語になります。前編として「タクとアンジーと雨の日」を先にお読みいただけますと幸いです。

 

 ヤバい、ヤバい、ヤバいヤバいヤバい!

 足が、震えている。今はそれを自覚しているからこそ、ぐっと足に力を入れ抑え込んでいる。けれど一瞬でも気を抜くと、この足に込めた力を緩めると、たちまち勝手に足は震えだし、周りにそれが伝わってしまうだろう。そうすると、自分がビビっていることが、先ほどまでの発言が意図的であったことが、バレてしまう。
 そうなれば、相手から何を言われるかなんて、分からない。あくまで、自然に。ただ純粋にゲームを楽しんだのだと、こういう所でしか役に立たない日頃の真面目ぶりをいつも通りに発揮しただけなのだと、思わせなければいけないのだ。
 周りに合わせてスクっと立ち上がり、本当に、あくまで自然に、いつも通りに移動を開始する。もちろん、心臓は激しく鳴り響き、足は今でも震えている。ここからはうっかり、震えで転ばないようにしなければならない。
 けれど、シエナが入り口へと辿り着く頃には、後ろ側の扉から、あの嫌なお題を出した人やその友人たちは、そそくさと、むしろ逃げるように去っていったのだ。
 思わずほっと息が漏れそうだったけれど、まだ油断してはいけない。万が一にも待ち伏せをされていたら、困るのだ。
 例えば、今日の講義はこれで終わりのため、アンナに声をかけてどこか寄り道でもしたい気分だけれど、待ち伏せされている可能性があるのならば、アンナを巻き込む訳にはいかない。
 シエナはやはり、気を引き締めたまま、あくまで自然に、いつも通りのように振舞いながら、ひとりで教室を出る。そしてそのまま、門に向かって一直線に歩き出すのだ。
 けれど、いつも通りは難しく、震えを隠そうとすればするほど、つい、早歩きになってしまうのだ。

 ああ、門のところにも誰もいませんように。

 門へと向かうその途中、例のグループの姿を捉えたけれど、彼らは絡むどころかこちらに気づきもないで、まだ次の講義があるのだろうか、キャンパス内のどこかにあっという間に姿を消してしまった。
 足はいまだ震えたままであるものの、どこか、シエナの足だけでなく全身の力が抜けていくような心地になり、気が付けば息が漏れていた。

「やっほ、シエナ!」
「きゃっ!?」
「さっき、カッコよかったわよ!」

 やっぱり、こちらに気づいて戻ってきたのかも。一瞬、そんな思考に囚われるも、反射的に振り返って目が合うのは、まさに声をかけたいと思っていた、アンナだった。

「アンナ……」

 アンナだと分かると、たちまち会話が頭に入り込み、その笑顔をみて彼女が自分のことを褒めてくれているのだと、遅れて理解していく。
 恐怖心と、自分の本当の動機と、褒められてどこか安心する自分。
 シエナは心から褒めてくれているに違いない親友の笑顔をぼんやりと見返しながら、弱々しい声で、どこか独り言のように、けれどもやはりアンナに向けて、確認のように呟く。

「私、あれで大丈夫だったかな?」
「もちろん! むしろスカッとしたわ」
「そう……かな? そ、そっか……よかった」

 日頃から自分の意見をしっかりと持ち、何でも堂々と言う、アンナ。そのアンナが大丈夫だと、むしろスカッとしたと言ってくれるのだから、周りからみてもシエナの行動はそこまで逸脱したものではなかったのだろう。
 シエナは力なく微笑み返し、二人で並びながら、門のほうへと歩きだ出す。

「でも、驚いちゃった。シエナ、目立つの嫌いなのに」
「う……ん。目立つのは好きじゃないけど、それと今回のことは別かなって」
「そうね。みんな、何て言おうか、言うべきじゃないか、悩んでたもの。本当に、偉いわ」

 やはりアンナはとてもシエナのことを褒めてくれて、けれどその笑顔を見つめていたら、どうにもむず痒く、自分の心は自分が一番に知っているからこそ、シエナはその言葉を素直に受け取る資格が自分にはないように思えてくるのだ。
 きっと、他の人にならば打ち明けないだろうけれど、親友のアンナだからこそ、シエナは例のことも伝えるため、幾ばくか躊躇いはあるものの、やはり正直に言おうと、弱々しいままに、口を開く。

「全然、偉くないの。私、そんなにいい人じゃないし……」
「そんなことないわ!」
「ううん。本当に、純粋な動機じゃないの。そのね、……なんか、彼が立とうとして、それで、それなら私がって、こう……」
「どういうこと?」

 正直に言おうとして、たくさんの言葉と気持ちが、アンナには本当のことが打ち明けられると思うからこそ、焦るように言葉が飛び出して、逆にちゃんと伝えられなくなってしまった。まずは、順番をちゃんとしようと、例のこと、から打ち明けることにする。意を決しアンナの方をみると、じっとこちらを見ながらシエナが答えるのを待ってくれていて、シエナは自然な会話の中でさらっと話せない自分のことがひどく嫌になった。重大発表のようになってしまい、けれど、今更誤魔化すこともできないので思い切って言おうと、小さく息を吸う。すると、言葉よりも先に頬がとても熱くなったのが感じられ、きっと、今の自分は顔が赤くなっているのだろうなと、シエナは思った。けれどあまりにも恥ずかしすぎるので、視線を反らし、何度も瞬きをしながら、弱々しい声を漏らした。

「……黒いパーカーの、人だったの」
「え?」
「今日の授業の始めに気が付いたの。例の、黒いパーカーの人だった」
「うそ!?」

 たちまちアンナの顔が明るくなり、その瞳が好奇心いっぱいになっていくのが分かる。すると、話したい気持ちともう少しあとに話せばよかったかもしれないという気持ちが同時に押し寄せて、ただただ、シエナは益々頬を赤くしていくしかないのだ。
 ああ、とてもアンナには話したいけれど、やっぱり恥ずかし過ぎるかもしれない、と。
 けれど、思っていることを全て話せる嬉しさの方が勝り、シエナは曇りがちな空を見つめながら、例のこと、を知っている前提で、アンナに自分の今日の行動の、純粋ではない正直な動機を、打ち明けだすのだ。

「……うん。彼だったの。今日、例の黒いパーカー、着てたんだ。……その、彼は優しいから。だから優しい彼に立たせるより、ちょっとお堅いイメージの私が立ち上がる方が、いいような気がしたの。何か、自分に出来ることが……したかったの」
「そう、そうなんだ!」

 シエナはこの何とも言えない照れを隠すため、わざとらしく首を傾げ、肩を竦(すく)めてみる。

「だって、私だったら、ホモサピエンスが~、なんて言い出したって、誰も変に思わないでしょう?」

 すると、好奇心いっぱいだった瞳を和らげ、アンナが堪えきれないというように、クスクスと笑い出すのだ。

「そうね? ホモサピエンスから入り出すあたりも通常運転だったし、シエナにしかできないわね。……真面目で、優しいから。行動自体の全部が、優しいシエナらしかったわ」

 やっぱり親友は褒めてくれて、けれど、自分の少しお堅い性格をもこうして理解し、笑って過ごしてくれるのだから、有難い。ただどうしても、優しいというのが素直に受け取っていいのかが分からず、シエナはやはり、言うのだ。

「全然、優しいとかいい人とかそんなんじゃなくて……それで、ああいうのってやっぱり、何が正解かって、いつも分からない」

 つい、俯いてしまいアスファルトを歩く自分の足をみつめてしまう。アンナがいる方向から小さく息を零す音がして、けれど、親友だからこそ、このため息は突き放すような呆れではなく、優しく見守るような、仕方がないなという、ため息なのが分かる。

「……またそんなこと言って。もっと自信をもって?」
「……うん」
「あれは、パーカーの王子様のためであり、みんなや、何より子どもたちのためでしょ?」
「う、うん。みんなで最後まで、楽しくゲームがしたかったの。というか、ちょっと待って!? パーカーの王子様って!」
「ふふ、だって本当のことじゃない」

 顔をあげると、アンナが自信満々に微笑んでいて、シエナはそれを肯定せざるをえなくなる。そう、彼はシエナにとって、王子様なのだ。けれど、それを言葉にするにはあまりにも、まだ、勇気がないのである。シエナはやはり何度も何度も瞬きを繰り返し、頬がさらに熱を帯びていくのを感じながら、小さな声にもならない唸るような音を漏らし、観念したように、言う。

「……うん。そう。本当のことなんだけど……。うーん、そう……王子様……」

 自信なく語尾が小さくなるのに比例して、益々顔が赤くなっていくのが感じられた。
 けれど、アンナはそれを馬鹿にするどころか、とても柔らかく笑って、シエナの手を引き、とても明るく言ってくれるのだ。

「ねぇ、お茶して帰らない? パーカーの王子様が同じ講義をとってると分かったなら、作戦会議しないと! まずは名前から調べないとね」
「もう、アンナったら」

 クスクスとどちらからともなく、声をあげて笑いだす。とても、とても恥ずかしい。それなのに、すごく、話したい。正直に言えないはずなのに、アンナが私の正直な気持ちを暴いてくれるから、恥ずかしいのがどこか、楽しくもなってくるのだ。徐々に歩くペースが速くなり、二人で少しずつ、駆けていく。そうしたら、あがったはずの雨がまた降り始めて、二人でさらに笑いながら、さらにスピードをあげて駆けていく。

「急いだ方が良さそうね」
「うん、行こう」

 走ることで、いつもよりも早く移り変わる景色を何気なく視界に入れながら、けれどもしっかりと、ある植木が並ぶ花壇のことだけは、意識的に視界に映し込む。そう、この辺りは、この植木が並ぶ花壇は、シエナが彼と出会った、ほんの少し苦く、けれどももっともっと甘酸っぱい、毎日通る、思い出の場所。

✶✶✶

 あれは大学に入学してすぐの時期だった。

 まだ大学内の道を全て覚えてはいなくって、アンナとはぐれてウロウロとしていたあの日、目立つのが大嫌いなシエナにとって、自分史上に何番目に入るかだろうかというくらいの、悲惨な事件が起こったのだ。

「いたっ」

 太もも辺りに痛みを感じると共に、とても小さく、けれども明確に何かが引っ張られるのを感じたのだ。慌てて太ももあたりを確認すると、植木から伸びた鋭利な枝が、シエナの黒いタイツに小さな穴をあけたのだ。けれど、穴はとても小さいというのに、それは派手に伝線していくのである。

「え!? 嘘でしょう!?」

 シエナの今日の服装はミニスカートに黒のタイツで、上はシンプルなトレーナー。止まれと願っても止まらないその伝線は、太もも辺りから膝下辺りまで続いていた。

「ど、どうしよう」

 そのタイミングで、後ろから人の声が響いて来て、シエナは慌ててしゃがみ込む。

 み、見られてたかな?

 この状態でうろ覚えの大学内を移動してアンナと合流するのも、目立たずに新しい着替えを入手するのも難しい。
 ああ、せめてワンピースやロングスカートだったらもう少し上手く隠せたかもしれないのに。どうして今日に限ってミニスカートを選んだのかしら。
 どれほど後悔してもどうにもならず、けれどもドンドンと、後ろから歩いてくる人たちの声は近づいてくるのだ。
 あまりにも恥ずかしすぎて、シエナは顔が見られないように限界まで顔を俯かせ、不自然でないように靴紐を結んでいるフリをする。

 お願い、早く通り過ぎて。こんな所でしゃがんでたら目立つけど、絶対に私には気付かないでそのまま通り過ぎて……!

 すると、シエナの気にしすぎだったのかもしれない。そのまま話に夢中になって、その数人のグループは通り過ぎていった。
 ほっとするのも束の間、アンナに助けを求めようとシエナが慌ててスマホを取り出したその瞬間に、ザっと布が落ちる音が響いて、反射的にその方向に目をやる。
 シエナの視線のその先には、ひとつの黒いパーカーが落ちていたのだ。
 どうやら、先ほど通り過ぎたグループの人たちとは別に、もう一人シエナの後ろにいたらしいのだ。

 わ、もう一人、いたんだ。話し声のする方に意識が向いていて、気が付かなかった。

 彼はパーカーを落としたことに気づいていないようで、一人黙々と前を向いて歩いていくのだ。それも、歩くスピードが異常に速いのである。

 目立ちたくない。だけど……。うーーーん。

 今の自分は歩くどころか立つことも、躊躇われるのだ。走って届けてあげたいところだけれど、流石にそれはいくら人助けでも難しい。シエナは仕方なく、しゃがみ込んだまま、いつもよりも大きめの声をあげる。

「あ、あの! 落としましたよ……」

 すると、彼はあれほどに速く歩いていたのに立ち止まり、数センチほど後ろに首を傾けると、完全にこちらの方は見ずに、斜め前を向いたままに答えるのだ。

「それ俺のじゃない、です」

 シエナはそれを聞き、目を白黒させる。ずっと自分はしゃがみ込んでいて、それで、ずっとこの場所にいたのである。この道を通ったのは、自分と、先ほどのグループと、彼くらい。先ほどまで目の前にパーカーはなかったのだから、消去法で言っても、絶対に彼の物のはずなのに。訳が分からずにシエナが固まっていると、彼は体勢をそのままに、言葉だけを続けるのだ。

「……俺のじゃないし、ちょっと急いでる、から……。そのパーカー、大学の落とし物預かり所に、明日以降とか、時間が出来た時に届けてもらっといていいかな? 多分、洗濯とかもしなくていいやつだと思う」
「え?」

 それだけ言い切ると、彼はそのまま前を向いて足早に去ってしまったのだ。

「ど、どうしよう?」

 そのパーカーは本当にシエナのすぐ傍に落とされていた。シエナが立たずとも、手を伸ばせば届くくらいの距離。去ってしまった彼に言われるがまま、どうにも無視できなくて、シエナはそのパーカーを拾う。

「やったー、今日はもう終わり」
「ね、お茶して帰らない?」

 すると、どこかで講義がちょうど終わったのだろう。このタイミングで一気にたくさんの学生が雪崩れるようにこちらへと歩いてきたのだ。

 ヤバい、ヤバい、ヤバいヤバいヤバい!

 シエナは咄嗟に、たった今拾ったパーカーで足元を隠し、慌ててアンナに連絡する。
 そうしてスマホをタップしながら、気づくのだ。
 彼はわざと、パーカーを落としていってくれたのではないかと。
 それもシエナを気遣って、何も言わずに。

「…………」

 そのまま、シエナはパーカーを腰に巻き、タイツの伝線部分を隠して、アンナと合流し、誰にもバレることなく着替えて、この危機を乗り切ったのである。
 後日、念入りにパーカーを洗濯して彼を探したけれど見つからず、目立たないようにパーカーのポケットに『ありがとう』と一言だけ書いたメッセージカードを添えて、大学の事務局に落とし物として届け出たのだ。

 あの時の彼の黒髪と、黒いパーカーだけを、自分の記憶の中に残して。

✶✶✶

 今日の講義は子どもたちと交流がしやすいように、生徒をいくつかのグループに事前に分けていて、いつもよりも人数が少なかった。それに加えて、あの時は顔さえもよく分らなかったけれども、あの黒いパーカーを彼が偶然着ていたので、すぐに気付くことが出来たのである。
 そして今日、彼が黒いパーカーを着ているのを見て、シエナは確信したのだ。彼はやはり、落としたのではなく、わざわざシエナのために遠回しにパーカーを貸してくれたのだと。
 その瞬間に、シエナの胸は甘く疼いて、淡い恋心が、明確に恋に変わったのを自覚したのだ。
 そんな彼が困った顔をしながら、『猿っぽい人』というお題に対して立とうとしたその時、本当はとても怖かったけれど、今度は自分が立たなければと、シエナは本能的に思って、気が付けばああいう風に動いてしまっていたのだ。
 もちろん、全部が彼の役に立ちたいという思いだけでなく、あの時に思ったことも、口に出したことも全て嘘ではない。全員、みんな、誰だって、猿なのだ。ちょっと、昔より進化しただけ。少し、昔より賢くなっただけ。だから、全員が立つべきだと、心から、そう思った。
 けれど、教室に入った時からお題を言った人たちが彼に似たようなことを言って絡んでいたのも実は目撃してしまっていた。
 あの黒いパーカーを貸してくれた彼だと分かったのに、目撃した時は怖くて、勇気がでなかった。けれど、ゲームの時はゲームだからこそ、シエナでも動けると、そう思ったのだ。

 だから、これは純粋な気持ちだけでなく、ちょっとだけ、彼に話しかける口実が欲しくって、彼の困った顔をみたくないかも、なんて思ってしまった自分だけの少しズルい気持ちも、ある。
 私は決して、いい人なんかでは、ない。

 だけど、今日、恋をしてしまったから。

 私はいい人ではないれけど、あの時の彼のように、困っている人がいたら気づけるような、そんな人になりたいと、そう思ったのだ。

 あの『猿っぽい人』のお題の後、彼は偶然、鬼になったけれど、『猫が好きな人』と言っていた。動物関連で合わせてくれたのだろうか。
 そうだといいな。
 たまたまでも、偶然でも、少しでも多く、彼と何か共通の話題とか、一緒のものがあればいいな。

「まずは、名前が知りたい」

 心の中で呟いたつもりが、口に出してしまっていたようで、アンナに笑われてしまった。
 「正直ね」と。
 もっと正直に言っていいのなら、まずは名前を知るという、スタートラインに立ったかどうかも分からない段階だけれども、本当はこの恋を実らせたい。とても彼に、惹かれるの。
 そんなことを思いながら、ほんのりと頬を赤らめて、アンナとカフェへと駆けていく。一本に束ねたポニーテールがとても元気よく跳ねた気がした。

 

二人のその後は、ナタリーとキースの魔法茶屋へつづく🐈💓

 

お知らせ&独り言的な

8月の上旬に、タクとアンジーと雨の日を更新しまして。
その際、来月に黒のパーカー編をアップするとお伝えしておりましたのに☔
まさかの9月30日の夜に更新するという事態になってしまい🍩
素直にすみません<(_ _)>
スケジュール的にこれが精一杯だったこと、シリーズとしてこちらの番外編を更新するのならば、どうしてもリニューアル更新中であります本編の「その手に触れられなくても」のepisode1のあとに組み込みたく、このタイミングになりました🐚
シリーズでは過去編、現代編、未来編のそれぞれに、少しずつ違う環境下でのストーリー展開となっており、それぞれのタイトルや各episodeごとにテーマや大切なものを私の中で詰め込んで書いております。それでも、とても全てをシンプルにしたとき、生きるってこういうことなんだろうな、というものがこの番外編で、本編ではないけれど、当時どうしても書きたくて書いたepisodeになります。
思考と感情のある生き物が行動するときの動機のひとつに、いい人でありたい、というのがあるのだろうなと。そしてそれを突き詰めていったとき、その根本は好きな人に好かれたい、褒められたい、喜んでもらいたい、ではないかなと思っています。好きな人というと、恋愛的なイメージが強いのですが、広げていくと、親子間でも友達間でも、憧れの人でも。もしくは理想の自分自身になりたいときでも、そういうものは結びついていくと思います。そして、そういう感情と、それを導き出すために思考を使って計算して行動をするのが人間で、それらは結果、過去編も現代編も未来編も、登場する人物のほとんどが思考と感情のある生き物として描いているので、全ての物語に言える、不変的なひとつの大きな要素であり、こういう感情や行動は生きる上で大切だと思っています。
それが一番現実的に物語として伝えられるのがシエナであり、ただどうしても本編としてのストーリー的に組み込む感じではないというのが、私なりの結論で、リニューアル更新のために新たに構成をしながら、このタクとシエナの出会いの物語は別枠にさせていただきました。それでも、シエナのこの物語があって、過去編があって、書くということが続いていくので私にとってはアンジー編の中でどうしても書きたかったひとつです。
そして……地上世界を生きる私も人間ですので✨笑
毎週土曜日更新を続けていくのは、体調管理やスケジュール的にどうしても難しい時も絶対にあるなと思っております。
なので時折調整で休載を挟みたいと思っております。
その際、リニューアル前におまけで書き溜めていた登場人物の人間関係が分かるショートショートを、本編ではなく番外編の魔法茶屋通信として、代わりに更新したいなと思っております!
なのでこちらも期間限定にはしているのですが、魔法茶屋通信がたまったら、こちらの特別番外編も製本時にそちらに組み込めたらいいなーとふわっと考えております♪
よろしくお願いいたします🐈✨

そしてこの度、絵本の発売が決定しました!冬頃に発売予定です📚✨
この夏、めちゃくちゃ頑張りました🍉🍉
こちらの物語は期間限定で後日閉じるため、最後と思って独り言を書かせていただきましたが、絵本の販売に伴い、真面目にしようというのと、ずっと伝えていなかったリア友たちにもペンネームがバレることにより、もしかしたらこのホームページを覗きに来てくれることがあった際、独り言はどうにも恥ずかしすぎるので、今回で封印したいと思います。
すぐに封印しようかと思っていたのですが、物語の性質上、タクとアンジーと雨の日はネット掲載するならば、少し言葉を添えたかったので、今回を最後にしてみました✨
いつもお喋りですみません<(_ _)>
今後は、お知らせ以外は、物語の更新に集中したいと思っております!

どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします🐈

こちらの番外編2つは10月~11月くらい、シリーズ本編の現代編の更新に合わせて、タイミングをみて閉じさせて頂く予定です。
リニューアル前からお読みいただいてくださっていた皆さま、本当にありがとうございました!

 

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