小説・児童文学

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かぼちゃを動かして!⑦―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑦    エプリアは前方の洞窟をじっと見つめたままで、あまりにも真剣なその様子に声を出していいのか分からずに、フィフィはコクコクと無言で頷いて返事をした。  すると、フィ ...

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私の新しい城

2025/3/1  

私の新しい城  玄関から順に、確認の意味でゆっくりと歩き出す。  下駄箱はないから、パンプスやスニーカーを隅にぎゅっと並べて、正方形の本当に靴を履いて脱ぐだけの小さなスペースが、私の新しい城の入り口。 ...

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かぼちゃを動かして!⑥―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑥    風がやむと、木々の揺れる音さえもがフィフィたちの周りから消えていく。するとそこに残るのは、当たり前のように静寂な時間で、フィフィが今最も避けたいもののひとつであ ...

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私の散歩コース

2025/3/1  

私の散歩コース   「やあ、おはよう。今日も来てくれたんだね」  彼が今日も私に声をかけてくれる。もうすっかりと、彼の吐く息が白く染まり始めて、気が付けば私たちが歩く道には紅葉が多く散らばっ ...

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かぼちゃを動かして!⑤―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑤   「八色蜘蛛って、あの洞窟のですか? また面倒な……」  すぐ傍で息を飲むフィフィをよそに、エプリアとミス・マリアンヌは会話を続けていく。 「お願いよ~。私は夕飯の ...

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かぼちゃを動かして!④―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!④    声のする方を向くと、一人の青年がいた。背が高く年齢の判断がつかないけれど、フィフィよりは年上で、きっと大人でもない。  フィフィが視線を頭二つ分くらい上へとあげ ...

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かぼちゃを動かして!③―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!③    フィフィはブツブツと独り言をつぶきながら森の手前までやって来て、急にピタリと足を止める。 「あっ」  フィフィがふり返っても、視線のすぐそばでいつも浮いている見 ...

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四季折々~私の一番好きなケーキ~

2025/6/24  

四季折々~私の一番好きなケーキ~   はるのぽこ詞×小説のイメージで作成しました。スマホなどがまだない時代の四季折々     「いってくるよ」 「うん、いってらっしゃい」 ...

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かぼちゃを動かして!②―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!②      けれども、ディグダとの鬼ごっこに決着がつくよりも前に、とうとうハロウィンの日を迎えてしまったのだ。  いつも通り、何食わぬ顔でフィフィの前を飛んで ...

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かぼちゃを動かして!①―フィフィの物語―

2025/3/1  

  かぼちゃを動かして!①   「ねぇ、もう十分でしょ? いい加減、かぼちゃを動かしてよ!」 「まだまだだね。ちっとも顔が怖くない」 「どうして!? これ以上、どう怖くしろっていう ...

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