#ショートショート

小説・児童文学

陽によう

陽ようによう    炊飯器のスイッチを押す。  それを合図にグラスに注ぐのは、少し度がきつめのアルコール。  窓越しに日の光が差し掛かり、炊飯器が仏のごとく、輝きを放つ。  その光景を眺めな ...

小説・児童文学

私の散歩コース

私の散歩コース   「やあ、おはよう。今日も来てくれたんだね」  彼が今日も私に声をかけてくれる。もうすっかりと、彼の吐く息が白く染まり始めて、気が付けば私たちが歩く道には紅葉が多く散らばっ ...

小説・児童文学

四季折々~私の一番好きなケーキ~

四季折々~私の一番好きなケーキ~ 「いってくるよ」 「うん、いってらっしゃい」    そう言って、あなたは振り返ることなく行ってしまった。   四季折々~私の一番好きなケーキ~ & ...

小説・児童文学

ウグイスが鳴く夏に

   じっとりと汗が滲んでくる。張り付いたTシャツ。寝返りを打つと広がるムワッとした空気。意識が少しずつ、夢から現実へと引き戻されていく。  暑い。蒸し暑い。  そんな気持ち悪さを掻き消すか ...

私の達人

小説・児童文学

私の達人

   いつもの帰り道。多くの人が足早に駅へと向かう中、一人のろりのろりと歩き進めていく。まるで、自分だけに違う時間が流れているかのように。  今日は久しぶりの定時あがりだ。来る日も来る日も残 ...

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