オリジナル小説

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かぼちゃを動かして!⑤

かぼちゃを動かして!⑤   「八色蜘蛛って、あの洞窟のですか? また面倒な……」  すぐ傍で息を飲むフィフィを余所に、エプリアとミス・マリアンヌは会話を続けていく。 「お願いよ~。私は夕飯の ...

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かぼちゃを動かして!④

かぼちゃを動かして!④    声のする方を向くと、一人の青年がいた。背が高くて年齢の判断がつかないけれど、フィフィよりは年上で、きっと大人でもない。  フィフィが視線を頭二つ分くらい上へとあ ...

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かぼちゃを動かして!③

かぼちゃを動かして!③    フィフィはブツブツと独り言を呟きながら森の手前までやって来て、急にピタリと足を止める。 「あっ」  フィフィが振り返っても、視線のすぐそばでいつも浮いていた見慣 ...

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四季折々~私の一番好きなケーキ~

四季折々~私の一番好きなケーキ~ はるぽこちらでは初めてですが、再掲です❁   「いってくるよ」 「うん、いってらっしゃい」    そう言って、あなたは振り返ることなく行ってしまっ ...

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かぼちゃを動かして!②

かぼちゃを動かして!②    けれども、ディグダとの鬼ごっこに決着がつくよりも前に、とうとうハロウィンの日を迎えてしまった。  いつも通り、何食わぬ顔でフィフィの前を飛んでいくディグダに、今 ...

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かぼちゃを動かして!①

  かぼちゃを動かして!①   「ねぇ、もう十分でしょ? いい加減、かぼちゃを動かしてよ!」 「まだまだだね。ちっとも顔が怖くない」 「どうして!? これ以上、どう怖くしろっていう ...

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放課後に降るサイコロの雨

   サイコロを、振る。  手から零れ落ちた瞬間に、その小さな箱は机の上に跳ねて、さらに勢いを増して床へと転げ落ちていった。  視界に映りこむのは赤いひとつの点。 「いち」  しゃがみこんで ...

お縁描き堂・rie

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星のカケラ~episode4~

シホのカケラ    カーテンの隙間から日の光が差し込み、しほに朝を知らせる。ゴロリと寝返りを打ち、いつもより少し怠い身体に夢うつつの状態から現実へと引き戻される。 「なんか、いつもよりしんど ...

お縁描き堂・rie

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星のカケラ~episode3~シホのカケラ

シホのカケラ    大学内のカフェテラスに腰掛け、芝生広場を行き交う自分と同じ学生たちをぼんやりと見やる。時折、姉妹幼稚園の子どもたちが走り回ったりして、賑やかな笑い声が耳に心地よい。  手 ...

お縁描き堂・rie

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星のカケラ~episode2.5~守りたいカケラ―sideヒロandセト

星のカケラ~episode2.5~守りたいカケラ―side ヒロ     まずい。流石にやり過ぎた、と浩は思う。  今時あんなコメディ映画のようにオレンジを箱ごと転がす奴なんていないだろう。 ...

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