小説・児童文学

かぼちゃを動かして！⑤   「八色蜘蛛って、あの洞窟のですか？　また面倒な……」 　すぐ傍で息を飲むフィフィをよそに、エプリアとミス・マリアンヌは会話を続けていく。 「お願いよ～。私は夕飯の ...

かぼちゃを動かして！④   　声のする方を向くと、一人の青年がいた。背が高く年齢の判断がつかないけれど、フィフィよりは年上で、きっと大人でもない。 　フィフィが視線を頭二つ分くらい上へとあげ ...

かぼちゃを動かして！③   　フィフィはブツブツと独り言をつぶきながら森の手前までやって来て、急にピタリと足を止める。 「あっ」 　フィフィがふり返っても、視線のすぐそばでいつも浮いている見 ...

四季折々～私の一番好きなケーキ～   はるのぽこ詞×小説のイメージで作成しました。スマホなどがまだない時代の四季折々     「いってくるよ」 「うん、いってらっしゃい」 ...

かぼちゃを動かして！②     　けれども、ディグダとの鬼ごっこに決着がつくよりも前に、とうとうハロウィンの日を迎えてしまったのだ。 　いつも通り、何食わぬ顔でフィフィの前を飛んで ...

  かぼちゃを動かして！①   「ねぇ、もう十分でしょ？　いい加減、かぼちゃを動かしてよ！」 「まだまだだね。ちっとも顔が怖くない」 「どうして！？　これ以上、どう怖くしろっていう ...

放課後に降るサイコロの雨   はるのぽこコロナ流行でマスクが絶対の時に書いたものです   　サイコロを、振る。 　手から零れ落ちた瞬間に、その小さな箱は机の上に跳ねて、さらに勢いを ...

  　じっとりと汗が滲んでくる。張り付いたTシャツ。寝返りを打つと広がるムワッとした空気。意識が少しずつ、夢から現実へと引き戻されていく。 　暑い。蒸し暑い。 　そんな気持ち悪さを掻き消すか ...

  　いつもの帰り道。多くの人が足早に駅へと向かう中、一人のろりのろりと歩き進めていく。まるで、自分だけに違う時間が流れているかのように。 　今日は久しぶりの定時あがりだ。来る日も来る日も残 ...