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映画と全く違う!?~今だからこそ読んでほしい!原作、魔女の宅急便~

2021年3月10日

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はるのぽこ
今回は国際アンデルセン賞を受賞された角野栄子さんの魔女の宅急便をご紹介します!この国際アンデルセン賞、小さなノーベル賞と例えられるほど児童文学の世界では権威のある賞と言われているんです!そんな角野先生が書かれた魔女の宅急便は魅力をたっぷりご紹介!

人生を楽しむメソッドがここにある!!
キキという女の子の魅力

黒いワンピースの可愛らしい女の子、その傍らには相棒の黒い猫。そんな二人が箒に乗って荷物を届ける。誰でも一度は目にしたり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。

魔女の宅急便はアニメ、実写共に映画化され、多岐にわたり親しまれています。特に、スタジオジブリの可愛いキキとジジのイラストの商品は根強い人気があると思います。

実は映画と原作の魔女の宅急便ではストーリーや登場するキャラクターが少し違っています。

どちらがより良い、ストーリーの比較というものではなく、純粋に原作の魔女の宅急便の魅力についてご紹介していきたいと思います!

分かりやすく、”原作”とつけておりますが、以下そのまま魔女の宅急便という記載で統一させていただきます。

シリーズはいくつあるの?

実は魔女の宅急便はその6まであるシリーズ作品!

13歳の満月の夜にひとりだちをするキキ。そんなキキが一年間の修行を終え、恋をして、大人になり、お母さんとなり……といった具合にシリーズを読み進めることで、キキの成長を追うことができます。

さらにキキと出会った人びとキキとジジという魔女の宅急便特別編が2つほどあります。

今回は映画でも取り上げられている箇所、魔女の宅急便の最初の物語に焦点を当ててご紹介したいと思います。

あらすじ

オシャレ好きでほんのちょっぴりお転婆な女の子、キキ。一見普通の女の子に見えるけれど、実は魔女の娘。使える魔法は箒で空を飛ぶことのみ。けれど、キキは母コキリさんの跡を継ぐことを決め、13歳の満月の夜、魔女のおきてにしたがい、一人、魔女のいない新しい町へと旅立ちます。

キキが自分の町として決めたのは海の見える大きなコリコの町。決して魔女に良いイメージがあるとは言えない中で、相棒の黒猫ジジと共に新しい生活を始めます。

忙しそうな生活を送る町の人々は魔女をいきなり受け入れてはくれません。ですが、キキはめげずにその忙しそうな生活を送る町の人というのを逆手にとり、箒でひとっとびの気軽に頼める魔女の宅急便を始めました。

そんなキキと相棒ジジの一年間を追う物語。

キキという女の子から学ぶ誰にでも使える魔法

設定もストーリーもとっても素敵な魔女の宅急便。ですが、何といっても、キキが本当に魅力的なんです。空を飛べるから宅急便なんて楽々こなしちゃう……!?というわけではなく、次々にあちこちで事件は起こります。

例えば空を飛ぶことに憧れるひょろっとした背の高い男の子。その男の子との出会い方はあまり良いものではありませんでした。それなのに、それを素敵なものに変えてしまうのはキキが魔女だからではなく、キキという女の子がその出会いを前向きにとらえているからなのです。

あれはもうおしまい。

強がりの笑顔も前向きならば、それは本当の笑顔につながるかもしれません。

例えば新しく宅急便の依頼を受けたのは、オシャレでキキの知らない恋を知った年の近い女の子。その女の子はキキにとっては気取ってみえてしまうのです。ついつい反発してしまったりもするけれど、その子がキキにとっての最初の友達になるのはキキという女の子が素直で知りたがりだから。

あたし、わるいことしちゃったのよ。

素直に失敗を受け入れると、何かが変わるかもしれません。

例えばいばった音楽家から、無理難題を言われても、キキはケロリとやってのけます。一苦労したお届け物。けれども、キキはそれを苦労とは思ってはいないよう。それはキキという女の子が楽しむという魔法を知っているからなのです。

ねぇ、キキ、お礼をもらった? 

自分の感じ方、捉え方次第で得たものは何倍にも膨らみます。さて、キキは何をお礼としてもらうのでしょうか。

箒で空を飛べるからといって、魔法で全て解決できるのか、というとそうではなくって、魔法で空を飛ぶという特技と生かして、キキという女の子がそれらを解決しているんです。

何かで劇的に魔女という存在が認められて、キキが大活躍するのかというとそうではなくて、キキという女の子が魔女として生きると決めてまずは一年間頑張るから、周りに少しずつ少しずつ受け入れられていくのです。

依頼ごとにエピソードが区切られていて、とても読みやすく、登場する依頼人もとってもチャーミング。時には一癖も二癖もある人もいます。

どのエピソードにも一貫しているのは、キキという女の子がその依頼をこなしていくということ。それらが全て大成功かというと、決してそうではなくって、それでもキキは進み、次の依頼へと進んでいきます。

そして一年の修行を終えて、里帰りをするとき、キキは何を思い、どうするのでしょうか。最後の最後まで目が離せません。児童書というカテゴリーですが、ぜひ子どもの読みものとして流さず、大人にも読んでほしいと強く思える作品です。特に、新しく何かを始める方にぜひ、手に取って頂きたい一冊。お子さんがわくわくクスっと笑えるように構成されているはもちろん、大人でも十分すぎるほどの読み応えがあります。親子でもかなり楽しめる貴重な作品!

素直なセリフと、時に失敗しつつも誇りをもって仕事をしているその姿。

キキにとって一番の魔法は、空を飛ぶことではなく、空を飛ぶという特技を生かしてそれらを楽しむこと、それに全てがあると思うのです。

そして、その魔法の魅力を一冊の本として、角野栄子さんとキキという女の子が私たちにお届け物として届けてくれています

今だからこそ、ぜひ、受け取ってほしい可愛い魔女からのお届け物。

文章だからこそ、キキという女の子のその言葉や感情、行動のひとつひとつがしっかりと心の隅々まであなたに届くこと間違いなしです!

こんな方におすすめ

  • 親子で楽しみたい!
  • 何か新しいことを始めたい!
  • 人生を楽しみたい!
  • 魔法使いになりたい!

角野さんはこんな言葉を綴られています。

誰でもひとつは魔法を持っているんです。空を飛んだり、姿を消したりすることはできなくても、自分が好きなことで生きられれば、それは魔法になる。

あなたも魔法使いになってみませんか?
そのヒントをキキという女の子が教えてくれます。

 

注意ポイント

魔女の宅急便は複数の出版社から刊行されています。
お好きな表紙を選ばれるのも楽しみのひとつだと思います。
特別編は福音館書店さんの福音館創作童話シリーズでしか刊行されていないようですので、全て同じ出版社で揃えられたい方は事前にご確認されることをオススメします!
また電子書籍は角川文庫さんのものとなりますので、当サイトでもそちらをご紹介させていただいております。

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