小説・児童文学

小説・児童文学

かぼちゃを動かして!⑧―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑧    バクバクと速くなる心臓に反し、意識的に呼吸をゆっくりとすることで冷静さを保つ。  フィフィが何度瞬きをしても、その黒い物体は見間違いなんかではなく、確かに生き物 ...

小説・児童文学

まわる、コーヒーカップ―旋―

2025/3/1  

まわる、コーヒーカップ―旋―   ※一話完結「めぐる、メリーゴーランド―螺―」と対の物語になります。まだそちらをお読みでない方は、―螺―からお読みくださることをお勧めします! 「めぐる、メリ ...

小説・児童文学

めぐる、メリーゴーランド―螺―

2025/3/1  

めぐる、メリーゴーランド―螺―   『ここは運命の螺旋階段。登りついたその先に、あなたの人生みちがあります』    通された扉の向こうには、仄暗い一本の道が続いている。  その道を ...

小説・児童文学

かぼちゃを動かして!⑦―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑦    エプリアは前方の洞窟をじっと見つめたままで、あまりにも真剣なその様子に声を出していいのか分からずに、フィフィはコクコクと無言で頷いて返事をした。  すると、フィ ...

小説・児童文学

私の新しい城

2025/3/1  

私の新しい城  玄関から順に、確認の意味でゆっくりと歩き出す。  下駄箱はないから、パンプスやスニーカーを隅にぎゅっと並べて、正方形の本当に靴を履いて脱ぐだけの小さなスペースが、私の新しい城の入り口。 ...

小説・児童文学

かぼちゃを動かして!⑥―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑥    風がやむと、木々の揺れる音さえもがフィフィたちの周りから消えていく。するとそこに残るのは、当たり前のように静寂な時間で、フィフィが今最も避けたいもののひとつであ ...

小説・児童文学

私の散歩コース

2025/3/1  

私の散歩コース   「やあ、おはよう。今日も来てくれたんだね」  彼が今日も私に声をかけてくれる。もうすっかりと、彼の吐く息が白く染まり始めて、気が付けば私たちが歩く道には紅葉が多く散らばっ ...

小説・児童文学

かぼちゃを動かして!⑤―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!⑤   「八色蜘蛛って、あの洞窟のですか? また面倒な……」  すぐ傍で息を飲むフィフィをよそに、エプリアとミス・マリアンヌは会話を続けていく。 「お願いよ~。私は夕飯の ...

小説・児童文学

かぼちゃを動かして!④―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!④    声のする方を向くと、一人の青年がいた。背が高く年齢の判断がつかないけれど、フィフィよりは年上で、きっと大人でもない。  フィフィが視線を頭二つ分くらい上へとあげ ...

小説・児童文学

かぼちゃを動かして!③―フィフィの物語―

2025/3/1  

かぼちゃを動かして!③    フィフィはブツブツと独り言をつぶきながら森の手前までやって来て、急にピタリと足を止める。 「あっ」  フィフィがふり返っても、視線のすぐそばでいつも浮いている見 ...

© 2025 はるぽの和み書房